うさぎは小さく見た目も愛らしいのですが、犬や猫に比べると感情やしぐさが控えめな印象です。
大きな鳴き声も出しませんし、しぐさもおとなしめですが、意外に感情表現は豊かです。
観察していると、微笑ましく気持ちが和むことも多いと思います。
今回は、うさぎと仲良くなる接し方と、うさぎが飼い主を信頼した時に見せる5つの愛情表現を見てみましょう。
物静かにやさしく寄り添ってくれる存在なだけに、うさぎの愛情表現は癒しになります。
うさぎと仲良くなる接し方は?
自然界では、うさぎは肉食動物に食べられる側の生き物なので、とても警戒心が強く臆病です。
巣穴を作って、肉食動物から身を守り群れで暮らしています。
まず初めに、「室内は安全なところ、飼い主は安全で仲間だよ」と分かってもらうことが大切です。
静かに優しく接する
一番大切なことは、常に静かに優しく接することです。
子うさぎはかわいいので撫でたり抱っこしたりしたくなりますが、優しく見守りましょう。
少し時間がかかっても、うさぎが近づいてくるのを待ちます。
- 最初のうちは積極的に触ったりせず嫌がることをせず、静かに優しく接していきましょう。
- 静かに見守りうさぎが近づいてくるのを待ちましょう。
15年前、初代うさこをお迎えしたとき、1週間ほどで部屋にも慣れ、私や妻にも慣れて、手から小松菜やペレットを食べた時は、やはりうれしく、子どものように思いました。
うさぎが嫌がること
うさぎの嫌がることをいくつか挙げます。
最初に嫌がることをすると、なつかなくなります。
気を付けたいと思います。
- 無理に抱っこする:捕まって食べられると思い、大きな負担になります。
- 追っかけ回す:外敵に追われるのと同じで怖い思いをします。
- 大きな声で叱る:うさぎは耳がいいので、大声は苦手です。
- 叩く:害を加えられたと思い、なつかなくなります。
うさぎが家の中の物をかじったりすることは多いのですが、怒ってはいけません。
うさぎは悪くない
うさぎが部屋で遊んでいるとき起こることは、すべて飼い主の責任です。
うさぎが部屋の中のコードや服や本をかじることはよくありますが、それは飼い主がきちんと予防しなかったのが悪いのです。
「うさぎは悪くない」が基本です。
大声で怒ったり叩いたりすると、うさぎがそれを学習してしまい、飼い主が味方でなくなり、飼い主を信頼しなくなります。
あせらず、気長に、静かにうさぎに寄り添ってください。
名前を呼んで、食事の時はペレットやおやつを手からあげてください。
しばらくすると、うさぎの方から近づいてきます。
うさぎが信頼したときに見せる5つの愛情表現
うさぎが飼い主を仲間と思い、信頼してくれると「飼い主が好きだ、飼い主遊ぼう」という表情やしぐさを見せてくれるようになります。
うさぎの愛情表現を5つご紹介しますが、経験上信頼度の深まる順で、
- コテンと横になる
- 鼻先でつつく
- 撫でてと頭を押しつけてくる
- 手をなめる
- 足元をぐるぐる回る
という行動を見せてくれると思います。
初代うさこが、この順でなついてくれました。
とても印象深く、心に残るしぐさです。
コテンと横になる
うさこが家に来てから1週間ほどのときでした。
部屋の中で遊んでいたとき、急に「バタン」と横になってしまいました。
倒れこむような感じで、最初は「うさこ、具合が悪いか」と思ってびっくりしましたが、横になって寝ています。
これは、うさぎが安心してリラックスした時に見せるしぐさで、部屋が安全で、飼い主も仲間だと認識している証拠です。
愛情表現というよりも信頼表現ですが、「飼い主は仲間だね」と言っているようで嬉しくなりました。
鼻先でつつく
1カ月もすると、うさこも部屋に慣れてリビングが縄張りになっています。
うさこが遊んでいる時、たいていテレビを見たり、床に座って本を読んだり、うさこを眺めたりして静かにしていました。
ある日、うさこの方から近寄ってきて、鼻先で足をツンツンとつついてきました。
うさこにとっては私や妻が群れの仲間であり、「飼い主遊ぼうよ、飼い主撫でてよ」と言ってきているようです。
控えめで静かなふれあいですが、飼い主にとっては心休まるいやしの時間になるはずです。
うさぎは物言わぬ生き物ですが、しぐさには好奇心や愛情があるのを感じられます。
撫でてと頭を押しつけてくる
うさこが鼻先でつついてきたとき、背中をゆっくり撫でてあげます。
手で撫でることもあり、柔らかいブラシで撫でることもあります。
うさぎの遊びは、犬や猫の遊びとはかなりイメージが違い、静かな接し方でよいと思います。
うさこの背中を撫でていると、箱すわりになって、まぶたを半分閉じて、奥歯をカチカチと鳴らすようなしぐさをします。
撫でるのをやめると、手の下に入ってきて頭をぐっと押しつけてくることがあります。
「もっと撫でて」という合図です。
やはり物は言いませんが、飼い主に何をしてほしいかは伝わります。
飼い主もリラックス
うさこはとてもリラックスして寛いでいる様子で、撫でている私も同じくリラックスして呼吸が深くなり、大変心がなごみます。
仕事中は多少のストレスもあり、呼吸が早くなり血圧も上がっているので、うさことのひと時はとても貴重です。
手をなめる
今から40年以上も前ですが、初めて身近にうさぎと接したのは小学生の時です。
当時の小学校には、たいてい飼育のためうさぎ小屋がありました。
その時の印象は、おとなしく、あまり動かず、犬とは違い人の手をなめたりしないものだと思っていました。
その印象があったので生後6か月経ったころ、うさこが初めて私の手をなめてきた時には少し驚きました。
うさこの背中を撫で終わり、手を顔に近づけるとペロペロとなめてきました。
「うさぎも人の手をなめるんだ」と思っていると、うさこは小さな舌で一生懸命にペロペロとなめます。
物言わぬ愛情
「撫でてくれてありがとう、飼い主好きだよ」と仕草で示しているようで、やはりうさぎの愛情を感じられます。
私も自分の気持ちがあたたかくなったことを覚えています。
飼い主としては、うさぎが信頼して仲間と思ってくれていると感じられる仕草です。
うさぎとの信頼関係が一段深まったと実感します。
足元をぐるぐる回る
うさこが1歳になるころから、私の足元をぐるぐる回る行動を時折見せるようになりました。
それまでも、うれしい時はジャンプしたりしていました。
その日は、3日間の出張から帰ってきたときでした。
私を見てジャンプして跳ねていたうさこが、足元をぐるぐる回り始めました。
「しばらく見なかった仲間が帰ってきた」と喜んでいる様子です。
出張先から飛行機、電車と乗り継いでクタクタになって帰宅しましたが、うさこが喜んでぐるぐる回る姿を見ると、疲れも吹っ飛びました。
うさこが全身で喜びを表してくれています。
控えめなうさぎが見せる精一杯の感情表現、私もうれしい気持ちになりました。
うさぎの個性
現在の3代目うさこは、大好きなおやつの乾燥りんごをあげるときに、ジャンプして私の足元をぐるぐる回り、部屋中を走り回ります。
これは「飼い主大好き」でなく、「おやつ大好き」の表現ですね。
このジャンプも、うさぎによって意味が違ってきます。
飼い主との信頼関係や親密さで行動の意味に違いも出ます。
しかし、どれを取っても微笑ましい愛情表現です。
まとめ
静かで物言わぬうさぎが見せてくれる愛情表現には、とても気持ちが和み、優しい気持ちになります。
うさぎと仲良くなり、気持ちの交流ができるようになるためには、先ずは信頼関係を作ることです。
静かに、優しく接して、うさぎから近づいてくるのを待つ。
うさぎは学習能力があり、身に危険があること、嫌なことは覚えていますので、嫌なことをされると飼い主に近寄ってこなくなります。
うさぎが、「飼い主は仲間だ、優しい人だ、好きだ」と思ってくれると、控えめな中に微笑ましい愛情表現を見せてくれます。
これも段階的に見せてくれますので、気長に仲良くなっていきましょう。
うさぎの仕草は派手ではないのですが、静かで控えめな表現は飼い主の気持ちに直接語り掛けるようです。
うさぎといると気持ちが和み、穏やかになります。
最後に、うさぎが家族の方におすすめしたい飼育書があります。
よろしければご覧ください。