コンビニで夜遅くに立ち寄ると、店員さんが棚に商品を並べたり、大きな段ボールを運んでいる光景をよく見かけます。
「どうしてこんな時間に?」と疑問に思ったことはありませんか?
この記事では、コンビニの商品が納品される時間帯や、その裏にある物流の仕組みについて、分かりやすく解説します。
ローソン・セブンイレブン・ファミリーマートの違いにも触れながら、納品時間の秘密を探っていきましょう。
コンビニの納品時間はなぜ深夜~早朝?その理由
納品時間はどの時間帯が多いのか?
多くのコンビニでは、納品は「深夜0時〜朝6時ごろ」に集中しています。
これはすべてのチェーン店で共通というわけではありませんが、都市部・住宅街・幹線道路沿いなど、立地にかかわらず深夜納品が一般的です。
また、一部のコンビニでは深夜帯だけでなく、午前中や夕方にも納品が行われるケースがあり、地域性や店舗形態によって多少の差があります。
納品便は1日あたり2〜4回に分けてスケジュールされており、商品カテゴリによっても時間帯が異なります。
たとえば、おにぎりや弁当などのフレッシュ商品は早朝に、雑誌や日用品などは昼間や夕方に届くことが多いです。
こうした納品スケジュールは、各チェーンの物流網の最適化と、店舗の売れ筋タイミングを反映した結果といえます。
なぜ深夜に多い?人員確保・混雑回避の戦略
納品が深夜帯に行われる大きな理由のひとつが、店舗の「混雑回避」です。
昼間はレジが忙しく、棚卸や品出し作業を並行するのが難しいため、人通りの少ない時間帯に集中して補充を行うことで効率的なオペレーションが可能になります。
特に朝の通勤時間帯までに商品をそろえておくことで、購買機会の損失を防ぐ狙いがあります。
また、物流センター側にとっても、夜間配送にすることで交通渋滞を避けやすく、スムーズな配送が可能になります。
加えて、夜間は高速道路の利用料が割引されるなど、コスト面でも一定のメリットがあります。
その結果、配送の正確性と迅速性が向上し、各店舗での品切れリスクが低減します。
さらに、深夜時間帯の納品は防犯上の観点からも一定の利点があります。
人通りの少ない時間帯に合わせて、短時間で荷下ろしと搬入を完了することで、トラブルの発生リスクを最小限に抑えられるのです。
深夜納品でも人件費が安くない理由
「深夜なら人件費が安いのでは?」と思うかもしれませんが、実は逆です。
深夜勤務には深夜手当(割増賃金)が発生するため、店舗運営側にはそれなりのコストがかかります。
それでも深夜納品を選ぶのは、「売上と顧客満足度を最大化するため」に必要な判断なのです。
加えて、深夜帯に働ける人材は限られており、求人を出してもなかなか集まりにくいという課題もあります。
そのため、深夜納品に対応できる経験者やスキルのある人材を継続して確保することが、店舗運営の安定に直結します。
また、納品業務を効率化するためのツールや仕組み(例:ハンディ端末による検品、スピーディな棚入れルート設計など)の導入が進められています。
ローソン・セブン・ファミマで納品時間は違うの?
(コンビニ3社の納品時間・特徴 比較表)
チェーン名 | 主な納品時間帯 | 便数の目安 | 特徴と強み |
---|---|---|---|
ローソン | 早朝(5〜7時)、昼、夕方 | 1日3便(店舗による) | ・地域密着で柔軟な納品体制・温度管理に優れた配送車使用 |
セブンイレブン | 深夜〜早朝中心、一部昼間 | 1日2〜3便 | ・高度な需要予測システム・商品ジャンル別に納品タイミングを最適化 |
ファミリーマート | 早朝・午前・夕方・深夜 | 1日最大4便 | ・PB商品の種類が多く頻繁な納品が必要・配送便数多めで品切れリスク低減 |
ローソンの納品の特徴
ローソンは、配送効率と商品鮮度のバランスを重視しています。
店舗の立地によって便数(1日あたりの納品回数)は異なりますが、多くの店舗で「早朝・昼・夕方」の3回納品体制をとっており、とくに**早朝(5〜7時)**の納品が主力となっています。
この時間帯に納品を行うことで、出勤前の買い物客に対して商品がしっかりと揃った状態で提供できるというメリットがあります。
また、ローソンは地域密着型の取り組みに力を入れており、エリアごとの消費動向に合わせた柔軟な納品体制を採用しています。
地方の過疎地域では便数を減らす一方、都心部ではより多くの便を設けることで、需要に応じた商品展開を可能にしています。
さらに、ローソンの配送車は温度管理にも優れており、冷蔵・冷凍・常温の各温度帯に対応した積載構造を持っています。
これにより、品質を保ったまま迅速に店舗へ届けることができるのです。
セブンイレブンの補充タイミング
セブンイレブンは、独自のセントラルキッチンと高度な需要予測システムを活用し、納品時間も効率的に設計されています。
多くの店舗で「深夜〜早朝帯の納品」が中心ですが、都市部では「昼間の時間帯」にも便を設けているケースがあります。
また、セブンイレブンでは、商品ジャンルによって納品タイミングを細かく分けていることも特徴です。
たとえば、お弁当類は早朝に、スイーツ類は夕方以降に納品されることもあり、それぞれのピーク時間に合わせて計画的に供給されています。
ファミリーマートは配送便が多い?
ファミリーマートは、チェーンのなかでも比較的納品回数が多い傾向があります。
都市型店舗では1日4便(早朝・午前・夕方・深夜)体制を採用している店舗もあり、品切れリスクを最小限に抑えています。
特にファミリーマートは、PB商品(プライベートブランド)の展開に力を入れており、その分多様な商品カテゴリが店舗に並びます。
これを支えるためには頻繁な納品が欠かせず、その結果として配送便が多く設定されているのです。
配送ドライバーとの連携も密にとられており、迅速かつ正確な搬入が可能な体制が整えられています。
納品作業の流れ|店舗ではこう動く

ドライバー→バックヤード→店員へ
納品の基本的な流れは以下のとおりです。
- ドライバーがトラックで商品を搬入
- 店のバックヤード(裏の倉庫)に荷物を降ろす
- 店員が伝票と照合しながら商品を仕分け
- 棚への陳列またはストック保管
この一連の流れは、短時間で正確にこなす必要があり、スタッフのスキルが問われます。
ドライバーと店員の連携も重要で、納品時間がずれた場合や伝票と実際の納品物にズレがある場合には、すばやく対応する判断力と経験が求められます。
また、納品時には段ボールの種類や配送ロットによって荷下ろし方法が変わることもあり、大型トラックの積み下ろしではフォークリフトや専用の搬入スロープが使われることもあります。
これらの作業は、一見単純に見えても実際は高度な判断と協力によって成り立っているのです。
仕分け・冷蔵/常温の導線
コンビニでは、商品が「冷蔵」「冷凍」「常温」に分かれて納品されます。
そのため、仕分け作業は「どの温度帯か」を即座に判断し、適切な場所に一時保管・陳列する必要があります。
特にチルド弁当やスイーツ類は、温度管理が重要です。
仕分けの段階では、誤配や破損のチェックも並行して行われます。
たとえば、冷凍品が常温で納品されていた場合や、商品に外箱の凹み・液漏れなどが見られた場合には、即座に対応が必要です。
冷蔵棚の空き状況や優先順位を確認しながらの作業となるため、経験と手際が重要になります。
どれくらい時間がかかるの?
納品作業は、便の大きさにもよりますが、1回につき20〜40分程度が目安です。
深夜〜早朝帯はスタッフ人数が少ないため、効率的に進める工夫(ワゴン活用・分類の事前準備など)が求められます。
さらに、納品と同時に売れ筋商品の動向を確認し、棚の配置や補充量を調整する作業も行われる場合があります。
ピーク時間を迎える前に作業を完了させる必要があるため、時間管理も非常に重要です。
繁忙期や新商品の導入時には納品量も増えるため、通常より長めの作業時間を見込む必要があります。
店舗経営やバイトにとって納品時間は重要
バイトの勤務時間はいつが多い?
納品作業がある時間帯には、通常「深夜(22時〜翌6時)」または「早朝(5時〜9時)」の勤務帯にシフトが組まれます。
この時間帯は時給も高く、体力仕事が多いため、学生・フリーター・Wワーカーが多く働いています。
納品対応が忙しい時間帯とは?
もっとも忙しいのは「納品時間+通勤ラッシュ」が重なる朝6時〜8時台です。
この時間帯は、品出しと接客を並行しなければならず、スタッフの熟練度が問われる瞬間です。
早朝シフトに慣れるコツ
早朝シフトに慣れるには「生活リズムの調整」が何より大切です。
前夜の就寝時間・食事・水分補給・体調管理を整えることで、負担を減らすことができます。
また、納品作業の流れを事前に理解しておくことで、初日からスムーズに動けます。
まとめ|納品時間の裏にある「見えない努力」と仕組み
コンビニの棚がいつも整っているのは、見えないところで働く人々と、緻密な物流システムのおかげです。
深夜や早朝に行われる納品作業は、私たちの生活の「当たり前」を支える重要な工程です。この記事が、そんな裏側に少しでも光を当てるきっかけになれば幸いです。
今後コンビニを訪れるとき、「この商品、今朝届いたのかな」と想像してみると、少しだけ見える景色が変わるかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。