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コンビニと本屋の意外なコラボ事例|ローソンだけじゃない!本と日常がつながる新しい形

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「コンビニと本屋がコラボ?」と聞いて、少し意外に思う方もいるかもしれません。

ですが、現在この動きが全国の一部地域でじわじわと広がりを見せています。

特に近年は、町の書店が次々と姿を消す中で、日常的に立ち寄るコンビニが“本と出会う場所”として再評価され始めています。

この記事では、ローソンを中心にした「マチの本屋さん」構想をはじめ、他のコンビニチェーンや出版社、自治体とのコラボ事例を紹介しながら、これからの本とコンビニの関係性について考察します。

 

なぜ今、コンビニが“本屋機能”を求められているのか

 

町の本屋が減少している背景

1990年代後半をピークに、日本全国の書店数は減少の一途をたどっています。

特に地方では、町に1軒も本屋がない「書店ゼロ地域」が増加しており、本との偶然の出会いや知的好奇心を育む場が減ってきています。

これにより、読書文化の衰退や、情報格差の広がりといった懸念も生じています。

子どもたちが自発的に本に触れる機会が減れば、読解力や表現力にも影響を与えかねません。

また、地元の書店がなくなることで、地域に根ざした文化や歴史を知る機会も失われつつあります。

その中で注目されているのが、生活圏の中心にあるコンビニエンスストア。

毎日のように利用される場所だからこそ、気軽に本と出会える可能性が生まれています。

飲料やおにぎりと並んで本があるという「当たり前」の光景を取り戻すことが、新たな文化の再生につながるかもしれません。

 

日常導線における「本」の再配置

コンビニで本を取り扱うことは、「読書の機会」を生活の中に再配置するという視点でも注目されています。

絵本、実用書、雑誌だけでなく、地域の特色ある書籍を扱うことで、“町の小さな本屋”としての機能が期待されています。

さらに、立ち読みや購入を通じて本との出会いが生まれることで、読書習慣のきっかけ作りにもなります。

特に若年層やビジネスパーソンなど、本を読む時間が限られている層にとって、コンビニでの「ついで読書」はハードルが低く、導入として有効です。

一方で、読書空間としての演出も課題です。

照明や棚の配置、紹介ポップの工夫など、従来の書店に近づけるための創意工夫が求められます。

このような小さな工夫の積み重ねが、「読むことへの興味」を呼び起こす環境づくりに直結します。

 

ローソンの「マチの本屋さん」構想

 

子ども向け・実用書中心の取り組み

ローソンは「マチの本屋さん」という構想を掲げ、店舗の一角に書棚を設けて絵本・児童書・学習参考書・生活実用書などを取り扱う取り組みを始めています。

これは特に、子育て世帯やシニア層のニーズに応える形で選書されています。

実際、絵本は親子での読み聞かせの機会を生むことができ、また学習参考書は放課後学習や塾通いの補助教材としての需要が高まっています。

生活実用書は料理・健康・節約など生活に直結する内容が多く、幅広い世代に支持されています。

加えて、書棚のデザインや陳列方法にも工夫が凝らされており、視認性が高く、選びやすいレイアウトが採用されています。

商品棚としての機能を超えて、小規模な書店に近い雰囲気が演出されています。

 

出版社との連携や地域フェア

この構想の特徴は、KADOKAWAやHMV&BOOKSといった出版・書店事業者と提携し、在庫や配送、選書にプロの目を取り入れている点です。

また、季節や地域に応じた「フェア」を設けることで、地元に根ざした本屋機能としての魅力を打ち出しています。

例えば、夏には自由研究フェア、冬には年末年始の書き初め・干支に関する書籍フェアなど、家庭内イベントや季節行事と連動したラインナップが展開されています。

こうした企画は、家庭の中での読書機会を自然と増やす仕掛けとして有効です。

また、地元の作家や郷土資料などの書籍を扱うことで、地域文化を支える場としての役割も強まっています。

町の書店に代わる「知の拠点」としてのポテンシャルが、ローソンの本屋構想に込められています。

 

セブン-イレブンやファミマの取り組みは?

 

以下は、主要なコンビニ3社の本屋機能に関する比較表です。それぞれの特徴を押さえることで、各社の取り組みの違いや狙いがより明確になります。

コンビニ名 主な取扱ジャンル 特徴 連携先・事例
ローソン 絵本・実用書・学習参考書 『マチの本屋さん』構想/出版社との連携/地域フェア KADOKAWA・HMV&BOOKS/香川県・長野県と連携事例
セブン-イレブン 新刊書籍・ビジネス書・絵本 都市部中心に書籍専用棚/実用書の選書に特徴 棚替えによる話題書展開/ビジネス層狙い
ファミリーマート 雑誌・文庫本・地域本 雑誌中心/読書週間に特設コーナー/地域本や観光書籍の展開 絵本フェア・地方出版社と連携/観光地向けラインナップ

 

セブン-イレブンの書籍専用棚の導入

一部のセブン-イレブンでは、雑誌売場とは別に「書籍専用棚」を導入しています。

都市部の店舗を中心に展開されており、人気の新刊や話題書などが並んでいます。

ただしローソンのように“本屋機能”として打ち出しているわけではなく、あくまで商品ラインナップの一部という位置づけです。

また、ビジネスマンを意識したビジネス書・実用書や、子ども向け絵本などターゲット層を意識した選書がされていることもあります。

定期的な棚替えによって、来店のたびに新しい発見がある仕掛けも施されています。

書籍とコーヒー・スイーツなどを組み合わせた「ちょっと一息」需要も意識されており、コンビニ内での滞在価値を高める手法として注目されています。

 

ファミリーマートの書籍・雑誌の役割分担

ファミリーマートでは、雑誌の取り扱いが主ですが、一部店舗では文庫本や新書の展開も行われています。

また、「読書推進週間」などのタイミングで特設コーナーを設ける例もあり、販売促進と文化的側面の両面から本を扱う意識が見られます。

さらに、文芸フェアや話題作のパネル展示などを行い、顧客の関心を高める工夫も導入されています。

SNSでの発信やQRコードを用いた著者インタビュー動画への誘導など、新しいアプローチも試みられています。

今後、文具や日用品と合わせた「暮らしを支える読み物コーナー」としての進化も期待されています。

 

絵本フェア・地域出版物の取り扱い例

ファミマでは過去に「親子で読める絵本フェア」を展開した例もあり、家族向けの読書機会を創出する工夫が見られました。

また、地域の出版社と連携し、ご当地の文化や歴史に関する書籍を置くなど、ローカルなニーズにも応えています。

特に観光地に立地するファミマでは、地元の伝統工芸や史跡紹介の書籍、観光ガイドブックなどを揃え、観光客に向けた情報提供の場としての役割も果たしています。

これは一時的な販売にとどまらず、地域ブランディングの一環としても有効です。

 

出版社・自治体とのコラボ事例

 

KADOKAWAや学研との共同企画

出版社側からもコンビニとの連携を望む動きがあり、KADOKAWA、学研、ポプラ社などがコンビニとのコラボフェアを実施しています。

たとえば「子どもの本キャンペーン」では、人気シリーズのセット販売やノベルティ配布が行われました。

こうしたキャンペーンは、コンビニ来店のきっかけにもなり、購入層の拡大にもつながります。

また、出版社側にとっては新規顧客との接点創出となり、実店舗とネット書店では得られにくい「発見」の場を提供する効果があります。

さらに、作品の魅力を伝えるPOPや装飾、スタッフによるおすすめコメントの掲示など、本屋的な工夫を取り入れることで、売上向上に直結する好例も多数報告されています。

 

地域教育・子育て支援施策としての本展開

自治体との連携事例も見られます。

たとえば香川県では、ローソンとの連携で「地域子育て応援ブックフェア」が開催されました。

地元の教育委員会と協力し、推奨図書の展示・販売や保護者向けの読み聞かせイベントなどを実施しました。

このような取り組みは、地域の課題(たとえば家庭内読書時間の減少)に対して、民間と行政が共同でアプローチする好事例といえます。

コンビニという場の「開かれた性質」を活かし、誰でも気軽に立ち寄れる本のある空間が生まれています。

また、こうしたフェアでは、地元の子育て支援団体やNPOとの連携も行われており、地域ぐるみの読書活動として発展しています。

 

「まちぐるみ読書運動」などの地域施策

長野県では「まちぐるみ読書運動」として、地域の商店とコンビニが連携し、読書に親しむ環境づくりを進めています。

読み聞かせイベント、読書スタンプラリー、ミニ図書館設置など、多彩な展開が行われています。

特に、商店街の一角にミニ書棚を設置したり、購入者にしおりを配布して地元図書館への来館を促す取り組みなど、地域全体での「読書のきっかけづくり」が進んでいます。

このような動きは、単なるコンビニの商品戦略にとどまらず、町の文化的な取り組みとして評価されるべき事例です。

 

今後の展望|本屋のない町でどう存在感を持つか

 

電子書籍やネット書店との共存

コンビニでの書籍販売は、電子書籍やネット書店の時代においても一定の価値があります。

特に「手に取って選べる」「ついで買いできる」ことは、リアル店舗ならではの強みです。

今後は、電子書籍の引換カードの販売や、ネット予約→店頭受け取りサービスの拡充など、オンラインとオフラインの融合も進むと考えられます。

また、AIを活用した「おすすめ本診断」や、スマホアプリと連携した読書記録サービスなど、新たな読書体験を生むデジタル施策も期待されています。

 

「買う場所」から「出会う場所」へと進化する可能性

単なる販売拠点としてではなく、本と出会う「場」としてのコンビニの価値が見直されつつあります。

とくに地域の教育や文化発信のハブとして、コンビニが果たせる役割は今後さらに広がるかもしれません。

今後、地域の学校や図書館とコンビニが共同で読書週間を開催したり、近隣の書店と協業して定期的な「本の交換会」などを行うといった、共創型の取り組みが求められます。

本がただ売られるのではなく、コミュニティの中で巡り合い、語られる。そんな未来が、コンビニという日常の中から生まれていくかもしれません。

 

まとめ

コンビニと本屋のコラボは、単なる商品展開にとどまらず、地域の暮らしや文化を支える新しい形として注目されています。

ローソンだけでなく、セブン-イレブンやファミリーマート、さらに出版社や自治体との連携事例も含めて、多様な動きが進んでいます。

これからの「本屋のない町」において、コンビニがどのように“読書の場”を提供できるか。その可能性を見つめながら、今後の展開に注目していきたいですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。